SEOは「ページを書く仕事」ではありません。「ページを育てる仕事」です。

SEOのランディングページをご提案した際、お客様からこのようなフィードバックをいただいたことがあります。
「内容は分かりやすいのですが、文字が多くて途中で離脱してしまいそうでした。」
このご意見は、とても貴重なものでした。
実際、私自身も「そのように感じるユーザーがいる」ことは十分理解しています。
しかし同時に、このやり取りを通して改めて感じたことがあります。
それは、
SEOは、公開した時点で完成するものではない
ということです。
SEOで最初に目指すべきことは「コンバージョン」ではない
Webマーケティングでは、「コンバージョン率を高めること」が重要だと言われます。
もちろん、それは間違いではありません。
しかしSEOでは、もう一段階前のステップがあります。
それは、
検索結果で見つけてもらうこと
です。
どれだけ優れたランディングページでも、検索結果に表示されなければ誰にも読まれません。
つまり、
- 検索順位
- クリック
- アクセス
これらがなければ改善するためのデータすら集まりません。
だから私は、SEO用のランディングページではまず「検索されるページ」を目指します。
なぜSEOページは長くなることがあるのか
「SEO記事は長いほうが良い」と言われることがあります。
しかし、私は文字数を目的にコンテンツを作ることはありません。
ページが長くなる理由は、検索意図によって異なります。
例えば、
- 競合ページの情報量が多い
- 専門性が求められるテーマ
- 比較・検討段階の検索キーワード
このようなケースでは、ユーザーが知りたい情報を網羅すると自然と情報量は増えていきます。
逆に、
- 競合が少ないテーマ
- 製品との関連性が強いキーワード
- シンプルな検索意図
であれば、必要以上に長くすることはありません。
重要なのは、
「何文字書くか」ではなく、「検索ユーザーの疑問を解決できるか」
だと考えています。
Google広告のLPとは考え方が異なる
SEOのランディングページとGoogle広告のランディングページは、同じように見えて目的が異なります。
Google広告では、広告費を支払うことで検索結果の上部に表示されます。
そのため、
「訪問してくれたユーザーをどうコンバージョンにつなげるか」
を最優先に設計できます。
一方、SEOでは、
まず検索エンジンに評価され、
検索結果でクリックされ、
ユーザーに読まれなければ始まりません。
さらに現在では、
- Google AI Overview
- ChatGPT
- Gemini
- Perplexity
など、AI検索に引用されることも重要になっています。
そのため、SEOページでは検索意図を幅広くカバーする構成を意識しています。
BtoBでは「詳しい情報」が信頼につながる
私が携わる案件には、BtoB企業が多くあります。
BtoBでは、製品を探している担当者の課題や目的が比較的明確です。
例えば、
- 研究者
- 技術者
- 品質管理担当者
- 購買担当者
こうした方々は、導入を検討する際に詳しい情報を求める傾向があります。
そのため、BtoC向けサイトのように短くまとめるよりも、
「必要な情報が十分に掲載されていること」
が問い合わせにつながるケースも少なくありません。
もちろん、長ければ良いというわけではありません。
図表や比較表、製品紹介、CTAなどを適切な位置に配置しながら、最後まで読みやすい構成にすることが重要です。
SEOページは公開してからがスタート
SEOは、一度公開して終わりではありません。
私が実際の案件で行っている流れは次のようになります。
1. 検索順位を獲得する
まずは検索結果で見つけてもらうことを目指します。
2. トラフィックを集める
どのようなユーザーが訪れているかを確認します。
3. データを分析する
- 離脱率
- 滞在時間
- コンバージョン率
- 検索クエリ
などを確認します。
4. コンバージョンを改善する
ここで初めて、
- CTAの配置
- コンテンツ量
- ページ構成
- FAQ
- 内部リンク
などを改善します。
必要に応じてA/Bテストを行い、成果を高めていきます。
つまり、
「公開前に100点を目指す」のではなく、「公開後に100点へ育てていく」
という考え方です。
AI検索時代でも考え方は変わらない
AI検索が普及した現在でも、この考え方は変わりません。
むしろ、
「このページはそのテーマについて最も信頼できる情報源か」
という視点が、これまで以上に重要になっています。
AIは文字数を評価しているわけではありません。
専門性や網羅性、分かりやすさ、信頼性のある情報を評価しています。
だからこそ、
「長い記事を書く」
ことではなく、
「ユーザーとAIの双方にとって価値のある情報を整理して届けること」
を常に意識しています。
まとめ
SEOで成果を出すページは、公開した瞬間に完成しているわけではありません。
検索順位を獲得し、アクセスを集め、ユーザーの行動データを分析し、改善を繰り返すことで、少しずつ成果の出るページへと成長していきます。
私がSEOコンサルティングで大切にしている考え方を一言で表すと、次のようになります。
SEOは「ページを書く仕事」ではありません。
「ページを育てる仕事」です。
著者プロフィール
盛田 一成(Issey Morita)
Japan SEO Specialist & Freelance Consultant
2017年より独立し、日本および海外企業向けにSEO、コンテンツマーケティング、日本市場向けローカライズ支援を提供。
これまでに200社以上のプロジェクトを支援し、SaaS、IT、セキュリティ、医療、研究機器、自動車、消費財など幅広い業界でSEO戦略を担当。
2020年から2026年までCanvaの日本SEOをリードし、日本市場向けのオーガニック成長を支援。数千ページ規模のコンテンツ展開や日本語SEO戦略に携わる。
現在はグローバル企業向けに、日本市場向けSEO、AI検索時代のコンテンツ戦略、FAQ設計、コンテンツローカライズ、AI Search Optimization支援を行っている。
Website:
https://design-bureau.yokohama/



